プレス機の架台やフレームなど構造部品の加工は、どこに頼めばよいか?
まず、溶接して組む製缶から仕上げ加工まで一括で依頼するのか、機械加工だけを切り出すのかを分けて確認します。門型マシニングセンターや大型旋盤で、大型のフレームや架台を一括で受けます。[7] 板厚と材料の鋼種記号、許容たわみ量、基準面の平面度が決まれば、対応可否と費用をお答えします。
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プレス機の構造部品について相談する
図面や具体的なアイデアがなくてもOKです。外形寸法と加圧能力、板厚の見込みだけでも、対応可否の見当をお伝えできます。
まず確認すること
板厚だけを書いた図面で相見積もりを取ると、たわみ許容値という比較の軸が抜けたまま、薄い板厚の案が安く見えます。100トン級のC形油圧プレスの解析例では、側板を25mmから22mmへ薄くした結果、たわみは49.26μmとなり50μmの上限のすぐ内側に張り付きました。1次固有振動数も42.777Hzから38.469Hzへ下がっています。[2] 弊社の公開事例では、2000mm角の大型製缶架台について、溶接順序を計画して熱変形を抑え、溶接後の機械加工で組付け面と穴位置を出しています。[3]
納期が遅れやすいポイント
- 大型のフレームや架台を丸ごと引き受けてくれる相談先が見つからない
- 溶接する会社と削る会社が分かれていて、歪みが出たときの責任範囲が曖昧になる
- 板厚と外形しか決まっておらず、見積依頼に何を書けばよいか分からない
- 溶接後にどこまで削って精度を出すのか、社内で決めきれていない
- 自社の要求寸法が大きく、加工範囲に入るかどうか判断がつかない
Q. プレス機の構造部品は、強度とたわみのどちらで条件が決まるのか?
A. 多くの場合はたわみ側です。[2] 100トン級のC形油圧プレスを有限要素法で解析した例では、上部フレームのたわみ50μm以下を守ることを拘束条件にして、側板の板厚を25mmから22mmへ決めています。板厚を22mmにした後のたわみは49.26μmで上限のすぐ内側、最大相当応力は74.577MPaで許容応力83.33MPaに対しては余裕が残りました。[2] 板厚を薄くすると断面の曲げにくさが下がり、応力より先にたわみが増えるため、応力に余裕があってもたわみが先に上限へ届きます。[2] この数値は、100トン級のC形フレームを板厚22mm前後の鋼板で溶接して組んだ場合のものです。ストレートサイド型や数百トン級のフレームには、この板厚やたわみ量をそのまま持ち込めません。[2] プレス荷重に対するたわみ量と板厚の妥当性は、フレーム形式と加圧能力、要求たわみ値、材料のグレードが決まってから算出します。 見積依頼では、板厚と外形寸法(mm)だけでなく、許容たわみ量と、それを測る面、検査方法まで書いてください。この解析例のように板厚がたわみの上限から決まる場合[2]、たわみ許容値の書かれていない図面では、弊社を含め受け取った側はそれぞれ自社の得意な板厚レンジで条件を補って読むことになります。補い方が違えば見積の前提も違うため、金額の差が加工内容の差なのか条件の読み方の差なのか判別できなくなります。
Q. 材料グレードと板厚は、どこまで指定して送ればよいか?
A. 鋼種記号と品質区分、板厚(mm)の3点まで決まれば、材料手配を含めて回答できます。[1] 溶接構造用圧延鋼材の規格(JIS G 3106)は、SM400A/B/C、SM490A/B/C、SM490YA/YB、SM520B/C、SM570の11種類を定めています。材料記号の数字は引張強さのクラスで、SM400A(板厚16mm以下)は降伏点245N/mm²以上かつ引張強さ400〜510N/mm²、SM490Aは降伏点325N/mm²以上、SM570は降伏点460N/mm²以上かつ引張強さ570〜720N/mm²です。[1] 末尾のA/B/Cは品質区分です。B区分とC区分にはシャルピー吸収エネルギー(0℃で27J以上、試験片3個の平均で判定)の規定があり、A区分にはありません。低温下や衝撃的な荷重を受ける部位でB区分やC区分を指定し、材料の受入検査でその値を確認する意味はここにあります。[1] 板厚には規格上の上限があります。SM400AとSM490Aは200mm以下、SM490YA/YBとSM520B/Cは100mm以下、SM570は鋼板で100mm以下、平鋼で40mm以下です。[1] さらにSM570では炭素当量0.44以下(板厚50mm以下)などの管理値が定められており、高強度側の材料ほど溶接施工条件の管理が厳しくなります。[1] 弊社が公開している架台やフレームの事例で使っている材料は、SSとSS400です。[3][4] SM材の指定がある案件では、鋼種記号と品質区分、板厚(mm)、数量の4点が届いた時点で、鋼板の手配経路から見た回答を出します。板厚が規格上限に近い場合や、炭素当量の管理値が効いてくるSM570のような高強度側の材料では、鋼板そのものの入手可否を先に確認します。[9]
Q. 溶接して削る工程で、精度はどの段階で決まるのか?
A. 溶接した後の機械加工です。[3][5] 溶接した部分は冷えるときに縮み、拘束された側に歪みが残ります。溶接の段階で寸法を合わせても組付け面はその後に動くため、基準面の平面度と穴位置の公差は、最後の機械加工で出す工程順にします。この順にすれば歪んだ分を取り代として削り落とせるので、検査も機械加工の後に行います。[3] 弊社の公開事例では、2000mm角の大型製缶架台で、溶接順序を計画して熱による変形を抑えたうえで、溶接後の機械加工で組付け面と穴位置の平面度を確保しています。[3] 236×530×805mmの材料SS400のフレームでは、製缶後にマシニングで上面を加工し、平面度0.05を出しています。[4] 全長3000mmの架台では、長尺で重量物になるため溶接順序の管理と治具設計を行い、機械加工で寸法精度と取付基準面を仕上げ、塗装まで通しています。[5] どこまで自社の設備に入るかは寸法で決まります。製缶機械加工の対応範囲は、幅3500mm×長さ10000mm×高さ2500mmです。[8] 保有設備には門型マシニングセンター3機種、φ1200×15000mmの超大型NC旋盤、超深穴あけに対応する横中ぐり盤、ラジアルボール盤があります。[7] ただし門型5面マシニングセンターMCR-A5Cの加工範囲は社内の資料間で数値が食い違っているため、この機械で受けられる最大寸法は、ご依頼の外形寸法を伺ってから確認します。[7][8] 近い条件で公開しているのは、工作機械のフレームベース(材料SS、200×250×570mm、製缶と縦マシニング)[6]、自動車製造ライン装置の台座(SS400、平面度0.05)[4]、産業装置向けの2000mm角の大型製缶架台です。[3] 寸法が設備の範囲を超える場合や専用の設備が要る工程も一括で受けます。対応可否と費用は、寸法と工程条件が決まってから回答します。[9]
よくある質問
フレームの外形と加圧能力しか決まっていない段階でも相談できますか?+
材料はこちらで支給しても構いませんか?+
溶接だけ、または機械加工だけを依頼できますか?+
プレス機メーカーではなく他の装置メーカーですが、同じように相談できますか?+
見積の回答はどのくらいで届きますか?+
重量物の輸送や据付まで見てもらえますか?+
既存のプレス機のフレームに追加工を依頼できますか?+
他社でも見積を取っていますが、比較のために出してもらえますか?+
架台の防錆塗装まで通して依頼できますか?+
据付が1台分しかなく、架台も1基だけですが依頼できますか?+
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参考事例・文献
外部資料
内部事例
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