MCナイロン加工を外注するとき、何を確認すべきか?
MCナイロン加工を外注するときは、まずグレード、仕上げ公差の基準、使用環境の温度と湿度、板か丸棒かの供給形態の4点を確認します。MCナイロンは吸水と熱で寸法が動くため、金属図面の±0.01mm前後の公差をそのまま移すと外れます。この4点が決まれば、対応可否と見積を回答します。[1][2]
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MCナイロン部品の条件を送って相談する
グレード、仕上げ寸法と公差、使用時の温度と湿度、数量のメモがあれば十分です。図面や具体的なアイデアがなくてもOK! 現時点の条件から、対応可否と見積を確認します。
まず確認すること
MCナイロンの丸棒は、外径150から250mmの区分で+0.1から+5.0mmという片側プラスの公差で供給されます。[2] これは加工前の素材そのものの公差であり、切削後の完成部品の公差ではありません。素材の呼び径を部品寸法と同じものとして読むと、削り代の見積りが数mm単位でずれます。発注時に決めるのは素材公差ではなく、仕上げ寸法の公差と、その公差をどの状態で満たすかです。[1][2]
納期が遅れやすいポイント
- 図面の公差が金属基準の±0.01mm前後で書かれており、MCナイロンで成立するのか判断できない[1]
- 素材メーカーの寸法公差表が片側プラスで書かれており、仕上げ寸法の指示にどう関係するのか読み取れない[2]
- 使用環境の湿度と温度を加工先にどこまで伝えるべきか決めていない[1][2]
- MC901かMC602STかといったグレードの指定が図面になく、どれで見積を取ればよいか分からない[2]
- 金属加工の外注先に樹脂加工の可否を聞いても、どの工程まで受けられるのかが返ってこない[5]
Q. 金属材料の図面公差を、MCナイロンにそのまま使えますか?
A. そのままでは成立しないことが多いです。金属加工で狙える±0.01mm前後の公差に対し、樹脂加工で実務的に扱われるのは±0.05mmから0.1mm程度、切削では±0.05mm、条件を整えて±0.02mmとされています。[1] 差が出る理由は材料側にあります。樹脂の熱膨張係数は金属の10倍以上に達することがあり、さらに吸水した分だけ寸法が増えます。[1] MC901の線膨張係数は9.0×10^-5 /℃、吸水率は23℃の水中で飽和6.0%、24時間浸漬で0.8%です。[2] 温度と湿度が変われば削った寸法も動くため、公差の狙い値は使用条件と切り離して決められません。 公差の等級をどう指定するかも先に決めます。樹脂切削加工だけを対象にした一般公差のJISは無く、実務では金属加工用のJIS B 0405やB 0419の等級表を準用しています。[5] 図面か見積依頼の時点で、精級f、中級m、粗級cのどれを当てるかを合意しておくと、加工先との読み違いと検査時の判定のずれが減ります。[1] 厳しくすればよいわけでもありません。過度に狭い公差は費用だけでなく不良率も上げると指摘されています。[1] 部品として機能する範囲まで公差を緩めた方が、材料側の寸法変化を吸収でき、納入品の安定度は上がります。
Q. 使用環境の温度と湿度は、どこまで伝える必要がありますか?
A. 使用時の温度と湿度、加工後の保管期間まで伝えてください。MCナイロンは吸水する材料で、仕上げ公差を満たす状態が置かれた環境によって変わるためです。[1][2] メーカーはナイロンに吸水性があり寸法が増加すると明記し、加工品を長期保管する場合は吸湿による寸法変化に注意するよう促しています。[2] ナイロン系の材料は湿度50%の状態と乾燥状態で寸法が変わるため、公差の判定は測定時の環境に左右されます。[1] 外部の解説では、乾燥状態で合わせた部品が湿った環境で膨らんで嵌合不良になった例と、屋外で使う部品が夏の熱で膨張して組み付けにくくなった例が挙げられています。[1] どちらも加工先の精度不足ではなく、材料が置かれる環境が公差の指示に反映されていなかったことから起きています。 MCナイロンは一般のナイロンより寸法安定性が高いとされますが、吸水がゼロになるわけではありません。[1] 湿度差の大きい環境で使う部品では、検査で測るときの状態まで含めて公差を決めます。どこまで寸法変化を織り込めるかは肉厚と形状で変わるため、図面が届いた段階で確認します。[2]
Q. 弊社に相談いただくとき、事前に確認させていただくことは何ですか?
A. グレード、仕上げ公差の基準、使用環境、供給形態、数量の5点です。材料の手配を含めるかどうかも合わせて伺います。この5点が決まれば、対応可否と見積を回答します。[2][5] グレードは、基本のMC901やMC900NCのほか、耐候のMC801、摺動のMC703HL、高強度耐熱のMC602ST、導電や帯電防止のMC501CD系があり、連続使用温度や吸水率が材料ごとに異なります。[2] 食品衛生法への適合が要る用途や電気部品の用途では使用できないグレードが指定されているため、公差より先にグレードを確認します。[2] 弊社側の扱いにも制約があります。MCナイロンは社内の材料区分では独立した材料ではなく、エンジニアリングプラスチックの材料ページに含まれる1グレードで、在庫材料としては持っていません。[4] 公開している加工実例は、押さえ治具の試作品(20×50×100)と自動車向け試作部品(130×500×650)の2件で、達成した公差や工程の記録は公開していません。[3] 工程の当て方も金属とは変わります。BTA深穴加工、熱処理、放電加工、研削は樹脂には当てられず、5軸精密加工での切削仕上げが標準という整理を、同じ樹脂区分のページで示しています。[5] この整理はPEEKやPTFEの資料を根拠にしており、MCナイロン単体で検証したものではありません。弊社は材料手配と大型部材の前加工を自社で持ち、樹脂部品の切削仕上げは協力工場と分担してきました。[5]
図面で見ておきたい条件
- 仕上げ公差をどの状態の寸法として指示するかを先に決めてください。金属加工の±0.01mm前後をそのまま移すと、費用が上がるだけでなく不良率も上がると指摘されています。[1]
- 使用環境の温度と湿度を教えてください。ナイロン系の材料は湿度50%の状態と乾燥状態で寸法が変わり、乾燥状態で合わせた部品が湿った環境で膨らんで嵌合不良になった例が報告されています。[1] MCナイロンは一般のナイロンより寸法安定性が高いとされますが吸水がゼロになるわけではないため、公差の狙い値は使用環境まで含めて決めます。[1][2]
- 加工後に長期保管する予定があれば、保管条件も合わせて決めます。メーカーは加工品を長期保管する場合の吸湿による寸法変化に注意するよう明記しており、保管後に公差を満たすかどうかは材料が置かれた環境で変わります。[2]
相談前に知っておきたいこと
- MCナイロンで公開できる自社実例は、押さえ治具の試作品(20×50×100)と自動車向け試作部品(130×500×650)の2件で、いずれも寸法と材質以外の加工精度や工程の記録は公開していません。[3] 達成できる公差の具体値は、グレードと部品形状、使用環境が決まってから算出します。
- 樹脂にはBTA深穴加工、熱処理、放電加工、研削が工程として当てられないという整理は、PEEKやPTFEを主眼にした資料を根拠にしており、MCナイロン単体で検証したものではありません。[5] MCナイロンの加工可否と工程は、グレードと要求精度が決まった時点で回答します。
関連するものづくりトピックス
よくある質問
図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
MCナイロンとキャストナイロン、ナイロン6で呼び方が違っても相談できますか?+
材料の支給と手配込みのどちらでも受けてもらえますか?+
金属部品と樹脂部品が混ざる装置案件でも、まとめて相談できますか?+
試作1個からでも見積を出してもらえますか?+
公差はどこまで詰めれば初回回答が早くなりますか?+
食品機械向けで、食品衛生法への適合が必要な場合はどうすればよいですか?+
絶縁や帯電防止のグレード指定がある場合、加工側で注意することはありますか?+
カタログの物性値をそのまま設計値として使ってよいですか?+
既に他社で加工していて寸法が安定しない部品も相談できますか?+
短納期の案件でも対応可否を見てもらえますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
内部事例
- [3] Meta-Navi: 樹脂加工品もお任せ(試作から量産まで)
設備・会社情報
- [4] Meta-Navi: エンジニアリングプラスチック材料ページ
- [5] Meta-Navi: PEEK・PTFEなど樹脂加工の外注ガイド
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