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電池やパワエレ機器の放熱板は、どこに何を伝えて発注すればよいか?

放熱板の発注では、まず材質と板厚、熱源と接する面の平面度、流路や取付穴の径と深さ、検査条件を確認します。深江特殊鋼はこの5点が決まった時点で、対応可否と加工方法、見積もりを回答します。[3]

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放熱板の条件を先に整理して相談へ進む

図面や具体的なアイデアがなくてもOK。材質、板厚、熱源が接する面の大きさ、流路の本数と径のイメージだけ先に共有していただければ、対応可否と見積もりを回答します。

まず確認すること

電池やパワエレ機器の放熱板の加工では、近い条件として参照できる内部事例が2つあります。A6061-T6のブロックに径10〜20mmの流路を14本、3層で交差させ、35MPa30分の圧力試験に全数通した油圧マニホールドの事例[5]と、C1020無酸素銅の800×120×t20mmプレートにφ8の冷却穴を加工し、250℃×2時間の応力除去を挟んで平面度0.06mm/800mmに収めた超電導装置用ブスバーの事例[6]です。どちらも放熱板ではありませんが、多流路を通す加工と、板の平面度を後工程で作る手順という点では同じ判断が要ります。

材質: アルミならJIS H 4000の合金番号と質別(A1070P、A5052P、A6061Pなど)、銅ならC1020やC1100の別。支給材か材料手配込みかも合わせて。[1]
板寸法: 外形、板厚、熱源と接する面の大きさ。蓋を接合する構造なら蓋厚も。[2]
平面度: 熱源接触面の平面度を測定長さ付きで(例: 0.06mm/800mm)。[6]
流路: 径、本数、深さ、交差の有無、貫通穴か止まり穴か、L/D比。[3]
接合: 蓋の有無と、TIG溶接、真空ろう付け、電子ビーム溶接、摩擦攪拌接合のうち指定があるか。[2]
検査: 圧力試験やリーク試験の圧力と保持時間(例: 35MPa30分)、面粗度、数量と希望納期。[5]

納期が遅れやすいポイント

  • アルミ板の手配先と加工先が分かれていて、素材のそりと加工後の平面度のどちらが原因か切り分けられない[1]
  • 図面に「アルミ」としか書いていないため、見積もりごとに前提の合金と質別が違う[1]
  • 銅で熱伝導を稼ぎたいが、加工後の反りと表面傷の扱いが読めない[2]
  • 冷却水路入りの放熱板で、流路径と板厚に対してどの工法が成立するか分からない[3]
  • 熱源と接する面の平面度を、どの測定長さで指定すればよいか決まっていない[6]

Q. 放熱板の材質は、アルミと銅のどちらで見積もればよいですか?

A. 熱伝導を優先するなら銅、重量と加工性を優先するならアルミという分かれ方になります。ただし銅を選んだ場合は、歪み取りが工程に入ります。[7][2] 純銅の熱伝導率は約398 W/m・Kで、社内の材料データでも銅は電極や放熱部品に使う金属として登録しています。[7] アルミは合金と質別で性質が変わり、JIS H 4000が定めているのは電気の導電率の下限であって熱伝導率ではないため、熱の値そのものは材料メーカーの資料で確認します。[1] 銅の負担は加工側に出ます。純銅は軟らかく、切削で入った応力が解放されると板が反るため、切削後や接合後に歪み取りが要ります。表面も傷つきやすく、搬送と治具の条件を先に決めておく必要があります。[2] 社内の銅プレート事例では、この反りが実際に工程を分けました。C1020無酸素銅の800×120×t20mmプレートにφ8の冷却穴と32個の取付穴を加工したところ、加工したままでは平面度0.1mm/800mmに入らず、250℃×2時間の応力除去処理を挟んで0.06mm/800mmに収めています。[6] アルミで進めるなら、合金番号と質別を先に決めます。JIS H 4000はA1070PやA5052P、A6061Pといった合金と質別を規定し、A1060PとA1070Pの一部質別には導電率61.0%IACS以上という下限を置いています。[1] 図面に「アルミ」とだけ書かれていると、加工側は自社が扱い慣れた合金で読み替えるため、見積もりごとに前提の材料が変わります。[1]

Q. 平面度と流路の条件は、どこまで決めてから見積もりを出せますか?

A. 熱源と接する面の平面度を測定長さ付きで示し、流路の径と深さと本数が決まれば、工法と工程を組んだ見積もりに進めます。[3][2] 蓋を接合する構造の放熱板では、本体に流路を掘り、その上に蓋を接合するジャケット構造が一般的です。接合はTIG溶接、真空ろう付け、電子ビーム溶接、摩擦攪拌接合が使い分けられています。[2] 蓋の厚みが均一かどうかは冷却性能に効きます。流路から熱源接触面までの距離が場所ごとに変わると、熱が抜けるまでの距離も場所ごとに変わるためです。[2] コールドプレートを製作している会社の公開資料では、ステンレス製長方形型の熱源接地面について平面度0.2以内という値が示されています(原文に単位の表記がなく、mm相当と読んでいます)。[2] 流路側は径と深さで工法が決まります。自社のガンドリルは径4〜32mm(拡張200mm)、最大深さ1,500mm、L/D比100まで、真直度0.3mm/1000mmが対応レンジで、金型の冷却穴や油圧マニホールドの油路が標準の用途です。アルミA5052では切削速度180m/min、送り0.05mm/rev、クーラント圧7MPaを加工条件として持っています。[3] 多流路になると、圧力試験まで含めた工程が判断材料になります。A6061-T6の250×180×120mmブロックに径10〜20mmの流路を14本、3層で交差させた事例では、寸法公差±0.02mm、面粗度Ra1.6で、35MPa30分の圧力試験を全数通しました。[5] 放熱板ではなく油圧マニホールドですが、交差部の加工順を先に決めておく点と、漏れ検査の条件を図面段階で決めておく点は放熱板でも同じです。[5]

Q. 深江特殊鋼に相談するとき、何を伝えれば回答が早くなりますか?

A. 材質と板厚、外形、熱源接触面の平面度、流路と取付穴の径と深さ、検査条件の5点です。この5点が決まれば、対応可否と加工方法、見積もりを回答します。[3] 大判のプレートでは、自社設備で受けるかどうかが先には決まりません。BTA深穴加工は径20〜300mm、最大深さ13,000mmまでの領域です。[4] 大判のアルミ放熱板をBTAで受けるかは、板厚と流路径を確認してから回答します。[4] 対応が難しい条件でも、対応可否と見積もりを回答します。[4] 素材の段階のそりと、加工後の放熱板の平面度は別の指標です。JIS H 4000のそり公差は厚さ6mm超50mm以下の厚板で長さ2,000mmあたり6mm以内といった桁で規定され、検査も同じ合金と質別と厚さで最大10,000kgを1ロットとする抜取りです。[1] 素材のそり公差より一桁以上厳しい平面度が要るなら、素材の選定ではなく加工と歪み取りの工程で作ることになります。[6] 電池分野では、EVバッテリの温度センサハウジング(SUM24L、φ12×L28mm、内径同軸度0.008mm、Cpk1.82、月41,000個)を24か月続けて量産しています。[8] 放熱板ではなく小径の旋削部品なので、放熱板の加工実績としては扱いません。電池パックに載る部品を継続量産している範囲の話です。[8]

図面で見ておきたい条件

  • 直線的な冷却水路の繰り返し加工はガンドリルの領域で、径4〜32mm、最大深さ1,500mm、L/D比100までが目安です。金型の冷却穴や油圧マニホールドの油路と同じ工法で加工します。[3]
  • BTA深穴加工は径20〜300mm、最大深さ13,000mmまでの領域ですが、社内の工程データにはアルミと銅が対応材料として入っていません。大判のアルミ放熱板でBTAを使うかどうかは、板厚と流路径を見てから個別に判断します。[4]
  • 銅の放熱板は、切削後や接合後に反りが出るため歪み取りの工程が前提になります。表面も傷つきやすいため、搬送と治具の条件を先に決めておく必要があります。[2][6]
  • 素材の段階のそり公差と、加工後の放熱板の平面度は別の指標です。JIS H 4000のそり公差は厚さ6mm超50mm以下の厚板で長さ2,000mmあたり6mm以内といった桁で規定され、検査もロット単位の抜取りです。[1]

相談前に知っておきたいこと

  • 電池やパワエレ機器向けの放熱板については、多流路のアルミブロック[5]と冷却穴入りの銅プレート[6]を近い条件として参照します。板厚や流路本数、材質と要求精度が決まった時点で、対応可否と工程、納期を回答します。
  • 熱伝導率や均熱に関する記述は材料データ[7]と外部の公開資料[2]に基づくもので、放熱板の熱性能(表面温度差など)は、材質と構造、平面度の条件が決まってから個別に確認します。
  • 平面度の絶対値は、材質と板厚、熱源接触面の面積、接合の有無が決まってから算出します。[2]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

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よくある質問

図面がまだない状態でも相談できますか?+
できます。板厚と外形のイメージ、熱源が接する面の大きさ、流路の有無が分かれば、工法の当たりは付けられます。手書きのポンチ絵や既存品の写真、現在使っている放熱板の寸法からでも確認を始められます。
材料の手配から依頼できますか?+
できます。支給材でも、こちらでアルミ板や銅板を手配する形でも受けます。手配込みの場合は、合金と質別、板厚、ミルシートの要否を先に決めていただくと、素材の入手見込みまで含めた回答になります。
アルミの合金番号が決まっていなくても見積もりできますか?+
概算は出せます。ただし合金と質別で加工条件と材料調達の前提が変わるため、合金が決まった時点で数字は変わります。用途と要求される熱の抜け方、重量の制約を伝えていただければ、候補の合金を含めて回答します。
銅の放熱板は反りが出ると聞きましたが、どう扱いますか?+
応力除去を工程に組み込んで平面度を作ります。社内の銅プレート事例では、加工後に250℃で2時間の応力除去処理を挟んで平面度0.06mm/800mmに収めました。必要な平面度と測定長さが決まれば、この工程を入れるかどうかを含めて見積もります。
自社で加工できない寸法や材質だった場合はどうなりますか?+
対応可否と見積もりを回答します。国内認定パートナー150社超のネットワークも活用しており、対応できる材質や精度、ロット、納期の範囲は広く、自社設備のレンジから外れる案件も相談先として使えます。材質と要求精度が決まった段階で、加工方法も含めて回答します。
水路の圧力試験やリーク試験まで依頼できますか?+
検査条件を図面か仕様書で指定していただければ、工程に含めて見積もります。圧力と保持時間、判定基準を先に決めてください。試験の方式によって治具と工数が変わるため、条件が未定のままだと見積もりの幅が大きくなります。
少量の試作だけでも受けてもらえますか?+
受けます。近い条件の内部事例でも、年間18枚の銅プレートという数量の案件があります。試作から量産に移る予定があれば、その見込み数量も一緒に伝えていただくと工程の組み方が変わります。
短い納期の案件は、何が決まっていると回答が早いですか?+
材質と板厚、外形、流路の径と本数、平面度の指定、検査の有無です。素材が支給か手配込みかでも回答速度が変わります。素材手配が必要な場合は、板厚と合金によって入手までの日数が読めるかどうかが先に決まります。
既存の放熱板で平面度が出ない案件も相談できますか?+
相談できます。現在の材質、板厚、測定した平面度と測定長さ、加工と接合の順序、熱処理の有無が分かると、反りの出どころを切り分けやすくなります。現在の加工先の社名は不要です。
電池パック以外の放熱板でも同じ流れで確認できますか?+
できます。パワーモジュールや充電器、産業機器向けでも、材質、板厚、平面度、流路、検査という確認の順序は同じです。ただし要求される平面度と熱の条件は用途ごとに違うため、条件は個別に見ます。

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参考事例・文献

外部資料

  1. [1] JIS H 4000: アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
  2. [2] 協友製作所: コールドプレートの設計・製作

内部事例

  1. [5] Meta-Navi: A6061油圧マニホールドブロックのマシニング加工
  2. [6] Meta-Navi: C1020無酸素銅超電導ブスバーのマシニング加工
  3. [8] Meta-Navi: SUM24自動車センサハウジングのスイス式旋盤加工

設備・会社情報

  1. [3] 金属加工ジャパン: ガンドリル加工
  2. [4] 金属加工ジャパン: BTA深穴加工
  3. [7] 金属加工ジャパン: 非鉄金属(アルミ、銅)の加工

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