ガス切断とは何か、プラズマ切断やレーザー切断とどう使い分けるべきか?
ガス切断は、酸素と可燃性ガスで鋼を加熱してから切る工法で、工程は加熱、ピアシング、切断の三段に分かれます。[2] 他の熱切断との使い分けは、まず板厚と要求公差から判断します。ISO 9013の寸法許容差の分類では、ガス切断とプラズマ切断はどちらもクラス2、板厚32mmまでのレーザー切断だけがクラス1です。[1]
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切断方法の見立てから相談する
ガス切断で頼むべきか決めかねている段階で構いません。図面がまだなくても、材質、板厚、切断長さ、数量をメモにして送っていただければ、切断方法の見立てと、見積に足りていない条件をお返しします。
まず確認すること
ガス切断とプラズマ切断のどちらで見積を取るべきかは、公差の指定だけでは決まりません。ISO 9013の寸法許容差の分類では、この二つは同じクラス2に入ります。板厚32mmまでのレーザー切断だけがクラス1で、狭い許容差の側に置かれています。[1] 分かれ目は切断面の状態と、後工程をどこまで足すかのほうにあります。ガス切断面には突起が残りやすく、レーザー切断面と比べたときの差はそこに出ます。[4]
納期が遅れやすいポイント
- 厚い鋼板の切断で、ガス切断とプラズマ切断のどちらで見積を取ればよいか決められません。ISO 9013の寸法許容差ではこの二つは同じクラス2に入るため、公差の指定だけでは分かれません。[1]
- 切断したあとに機械加工を足すかどうかが決まりません。ガス切断面には突起が残りやすく、レーザー切断面と比べると仕上がりが粗くなります。[4]
- 切断面の熱影響が後工程の検査に響くかどうかを、発注前に見積もれません。熱影響層の深さを指定する図面では、切断方法の選択がそのまま検査の合否に効きます。[3]
Q. ガス切断は、どういう手順で鋼を切っているのか?
A. 加熱、ピアシング、切断の三段階です。段階ごとに適した燃料比が違います。[2] 酸素と可燃性ガスを使う切断では、まず材料を加熱し、次に孔を空け(ピアシング)、そこから切り進めます。日本酸素の特許紹介ページでは、この三工程それぞれに適した燃料比があるとされています。[2] 同じノズルへ送る水素ガスや炭化水素ガスと酸素の供給比率を、工程ごとに切り替える装置が登録特許として紹介されています。[2] 工程ごとに燃料比を変える必要があるのは、材料を温める段階と切り進める段階で求める炎の状態が違うためです。 切断面の状態は、加工先のガス管理と装置条件に依存します。板厚mmと要求公差が同じなら誰が切っても同じ面になる、とはなりません。[1][2]
Q. プラズマ切断やレーザー切断とは、どこで分かれるのか?
A. 寸法公差のクラスでは分かれません。分かれるのは切断面の状態と、後工程の量です。[1][4] ISO 9013は熱切断の寸法許容差を分類する規格で、ガス切断とプラズマ切断はどちらもクラス2、板厚32mmまでのレーザー切断がクラス1とされています。[1] クラス1とクラス2の許容差は一つの数値ではなく、板厚と呼び寸法の組合せごとの表で決まります。板厚1mm以下で呼び寸法3mm未満なら、クラス1が±0.075mm、クラス2が±0.5mmです。[1] ガス切断とプラズマ切断が同じクラスに入るということは、寸法公差だけを見て二つを選び分けることはできない、ということです。[1] 判断材料になるのは切断面のほうです。弊社の技術コラムでは、レーザー切断の利点として、従来のガス溶断と比べて加工面に突起が発生せず仕上がりが比較的きれいになる、と書いています。[4] 切断面の差は、後工程の量に変わります。SUS430 2Bの食品ライン衛生カバープレート(1,200×800×t6mm)では、切断面に残る熱影響層が菌付着の検査で再加工の原因になっていました。ファイバーレーザー切断機で高圧窒素ガスアシストを使い、熱影響層を50μm以下に抑え、端面フライス加工と電解研磨で面粗度Ra0.3まで仕上げる工程に組み替えています。[3] この案件はガス切断ではありませんが、切断方法の選択が検査の合否と後工程の工数に直結する点は、ガス切断で頼む場合も同じです。
Q. 弊社に相談いただくとき、事前に確認させていただく条件は?
A. 材質、板厚mm、切断長さ、要求公差、切断面の要求、数量です。この六つで、対応可否と見積の内容が決まります。[6] 自社設備の切断は帯鋸と丸鋸で、丸棒φ10〜φ500mm、角材500mm角まで、切断精度は帯鋸±0.5mm、丸鋸±0.3mmです。24時間の無人運転ラインで動かしています。[6] 熱切断はこの設備の外側のため、ガス切断は条件を伺ったうえで対応可否と見積を回答します。切断面の実測値は、板厚と材質が決まった段階で確認のうえお伝えします。 対応できる設備のネットワーク側には、SUSプレートを板厚t150もしくは長さ15,000mmまで切断できるプラズマ切断機と、アルミプレートを板厚t30、長さ4,000mmまで切断でき熱歪みが起きにくいウォータージェット切断機があります。[5] 厚板や長尺で、ガス切断以外の選択肢がどこまで残っているかは、この設備レンジで判断できます。 材料の手配まで含めた相談も受けます。材質と板厚が図面で固まっていない段階でも、用途と要求公差が分かれば、切断方法と材料の組合せから絞れます。[5][6]
図面で見ておきたい条件
- 見積の前に、材質、板厚mm、切断長さ、要求公差、切断面の要求(突起の許容、面粗度、後工程の有無)、数量を確認します。ISO 9013の許容差は板厚と呼び寸法の二つで変わる表になっているため、板厚だけでは公差の可否を判定できません。[1]
- 切断のあとに機械加工や検査を足すかどうかは、切断面の状態で決まります。ガス切断面には突起が残りやすいので、面粗度の指定がある図面では後工程の要否を先に確認します。[4]
相談前に知っておきたいこと
- ガス切断面の粗さとドロスの量は、板厚、材質、切断装置の条件が決まってから回答します。自社の切断ラインは帯鋸と丸鋸で、熱切断の設備とは別系統のため、条件確認のうえで数値をお伝えします。[6]
- ISO 9013のクラス分けは寸法の許容差の話であり、切断面の粗さや直角度を示すものではありません。切断面の品質は別の条件として確認します。[1]
関連するものづくりトピックス
業界での実機事例(参考)

SUS430食品機械用衛生プレートの切断加工

SUS304食品コンベヤ用分岐プレートの切断加工
よくある質問
図面がまだなくても相談できますか?+
初回の相談では何を送ればよいですか?+
ガス切断とガス溶断は同じものですか?+
厚板の切断はどこまで相談できますか?+
切断のあとに機械加工を足すべきかどうかは、どう決めますか?+
材料の手配も一緒に頼めますか?+
1枚だけの切断でも相談できますか?+
熱影響層の指定がある図面でも相談できますか?+
見積の回答までどれくらいかかりますか?+
他社で切ってもらった部品の追加工も相談できますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
内部事例
- [3] Meta-Navi 加工事例: SUS430食品機械用衛生プレートの切断加工
設備・会社情報
- [4] Meta-Navi 技術コラム: レーザーカットで▽、▽▽面の切削不要にする方法
- [5] Meta-Navi 技術コラム: ステンレス、アルミ、伸銅など非鉄金属の材料と加工品
- [6] Meta-Navi 加工方法: 切断加工(帯鋸と丸鋸の24時間無人ライン)
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