金型の改造・追加工を依頼する前に、何を確認すべきか?
まず対象が焼入れ前か後かを確認します。焼入れ後のSKD11はHRC58〜62まで硬化し、通常の切削工具では加工できず放電加工・研削が中心になります。[1][9] 発注者都合の改造は費用も発注者側の負担が原則です。[6]
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まず確認すること
深江特殊鋼の公開事例では、SKD11のダイプレート(200×150×50mm)を焼入れ後HRC60まで硬化させたうえで、粗加工を焼入れ前に済ませ、ワイヤーカット放電加工で輪郭精度±0.003mm・Ra1.2まで仕上げています。[3] これは新規製作の工程ですが、焼入れ後の金型に改造・追加工を加える場面でも、通常切削ではなく放電加工か研削を軸に検討する根拠になります。[1][2]
納期が遅れやすいポイント
- 焼入れ後のSKD11金型に追加工を頼んだら、通常の切削工具では対応できないと言われた[1][9]
- 改造・追加工の費用を発注者と製作側のどちらが持つのか、材料費や検査費まで含めた取り決めが発注前にない[6]
- 摩耗や欠けの補修を溶接にすべきか放電加工にすべきか、公差や面粗度への影響も含めて自社では判断できない[8][5]
- 既存図面がなく、現状の金型の材料や公差を含めて改造したい範囲をどう伝えればいいか分からない[7]
- ガイドピン穴などの位置度公差を、検査でどれだけ超えているのか自社では測れない[4]
Q. なぜ焼入れ後の金型は普通の切削で改造・追加工できないのか?
A. 焼入れでSKD11の硬度がHRC58〜62まで上がり、通常の切削工具では刃先が保たないためです。[1][9] SKD11は生材の状態なら通常の機械加工ができますが、焼入れ後はHRC58〜62まで硬化し、研削と放電加工以外の方法が難しくなります。[1] SKD11は炭素1.4〜1.6%・クロム11〜13%の冷間工具鋼で、量産している金型のほとんどが58〜62HRCの範囲で使われ、硬い炭化物が多いために切削性そのものが加工上の弱点になると説明されています。[9] 放電加工(EDM)は硬度に関係なく、導電性があれば加工できる方式です。深江特殊鋼のEDM設備は、寸法精度±0.005mm、面粗度Ra0.8〜3.2、最小ワイヤー半径R0.1mmまで対応しています。[2] 公開事例では、SKD11のダイプレート(200×150×50mm)を焼入れ後HRC60まで硬化させ、粗加工を焼入れ前に済ませたうえでワイヤーカット放電加工により輪郭精度±0.003mm・Ra1.2まで仕上げています。[3] この事例は新規製作ですが、焼入れ後の金型に改造・追加工を加える場面でも、通常切削ではなく放電加工か研削を軸に検討する根拠になります。[3]
Q. 改造・追加工の費用は誰が負担するのか、発注前に何を確認すべきか?
A. 発注者都合の改造、修理、仕様変更は、材料費・検査費を含めて発注者側が費用を負担するのが原則です。[6] 日本金型工業会の金型取引ガイドラインVer.3では、発注者からの要望による金型の改造、修理、保全、設計変更は、材料や検査の条件を含めて発注者側が費用を負担すると整理されています。[6] 有償の改造・修理に着手する前に、金型メーカー側はまず概算見積りを提示して発注者の合意を得ることが求められ、口頭合意だけで着手しないことも定められています。[6] 量産中の摩耗やクラックなど、材料や成形条件、検査条件が原因で生じた補修についても、費用負担は発注者側に整理されています。[6] つまり金型改造・追加工を依頼する前に、対象が焼入れ前か後か、対象箇所の寸法・公差、既存図面の有無、希望納期に加えて、見積りと発注書のやり取りをどう進めるかも確認しておく必要があります。 深江特殊鋼の金型ベース加工では、ガイドピン穴の位置度公差±0.02mm、平面度0.01mm/500mmが基準になっており、この公差を超えるとスライドの噛み合わせが悪化し、コジリ摩耗やパーティング段差につながるとされています。[4] 改造・追加工でも、既存部が基準公差からどれだけずれているかを事前に共有すると、見積りの精度が上がります。
Q. 摩耗・欠けの補修は溶接がよいのか、放電加工・研削がよいのか?
A. 摩耗の程度と精度要求で選択肢が分かれます。溶接系の肉盛りはSKD11/SKD61の大きめの欠けや外観精度がそこまで厳しくない部位向けで、精密部の追加工は放電加工・研削工具が中心になります。[8][2] MISUMI-VONAの技術情報では、金型溶接は精密金型には基本的に不向きとされています。熱や酸化層の影響で母材(部品材料)を痛める可能性があるためです。ただし大型金型、外観精度がそこまで厳しくない部位、応急補修では有効な手段として位置づけられています。[8] 溶接方式にはろう付け、ガス溶接、電気溶接(被覆アーク、CO2、不活性ガスアーク)があり、中でも不活性ガス(アルゴン)アーク溶接は酸化を防ぎやすく、検査で見つかる気泡欠陥を抑えやすい一方、設備コストが高いとされています。[8] 深江特殊鋼のレーザー肉盛溶接は、TIGでは母材への影響が出やすい精密金型部品にも対応し、エッジや角の欠け、凹みやキズ、穴底や穴径の摩耗、かじり、ピンホール、クラックなど、金型の補修対象としています。[5] ただしこの情報だけでは補修後の寸法公差や検査結果は確認できないため、対象箇所ごとに個別確認が必要です。[5] 摩耗量が大きくSKD11/SKD61の形状を作り直す必要がある場合や、精度がシビアな部位では、肉盛りより放電加工・研削工具のほうが選択肢として現実的です。[2][1]
図面で見ておきたい条件
- 焼入れ後のSKD11・SKD61は通常切削工具での加工が難しく、放電加工・研削が中心になります。[1][2]
- 発注者都合の改造、修理、仕様変更は、材料費・検査費を含めて発注者側の費用負担が原則です。[6]
相談前に知っておきたいこと
- 公開している焼入れ後のSKD11放電加工事例(200×150×50mm)は新規製作工程内の実績が中心で、稼働中の金型を分解して改造した事例としては公開していません。[3]
- レーザー肉盛溶接の補修対象範囲は公開されていますが、補修後の寸法公差や検査データは公開情報からは確認できていません。[5]
業界での実機事例(参考)
よくある質問
図面がなくても金型改造・追加工の相談はできますか?+
SKD11の金型は焼入れ後でも寸法の追加工に対応できますか?+
改造・追加工の費用は誰が負担しますか?+
レーザー肉盛溶接では、金型のどんな傷みまで補修できますか?+
SKD61の金型ベースでも同じ考え方で相談できますか?+
海外で製作された金型でも改造・追加工は相談できますか?+
短納期で改造・追加工を依頼できますか?+
SKD11・SKD61の金型改造で、初回にどんな情報を伝えると回答が早くなりますか?+
改造・追加工の見積り前に、公差はどう確認すればいいですか?+
稼働中の金型を分解して改造した実績はありますか?+
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参考事例・文献
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