真空フランジのポート部を加工発注するとき、ICFかNW/KFのどちらの規格で図面を作ればよいか?
まず必要な到達真空度で分けます。10^-8mbar程度までのKF/NW領域はISO 2861のDN寸法(例DN40)で発注でき、10^-13Torr台まで狙うICF/CF領域はφ2.75inのような呼び径のナイフエッジ形状のため、メーカー図面基準でポート加工条件を確認します。[1][2]
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図面や具体的なアイデアがなくてもOKです。ICFかNW/KFかが未確定でも、到達真空度や呼び径の候補など、決まっている条件から相談できます。
まず確認すること
「真空フランジの加工」という依頼をそのまま受けると、規格、材質、仕上げのどこから確認すればよいか分からなくなります。公開事例では、SUS316L-BA製のCVDチャンバーガスインレットポート(φ220×L150mm)を旋盤+横形マシニングで一体削り出しし、電解研磨とパッシベーションでガス接触面Ra0.15、イオン溶出3pptを達成しています。[4] この実例を起点に、まずICFかNW/KFかという規格の切り分け、次に材質グレードと構造(溶接か一体削り出しか)、最後に面粗度・リーク検査という順で確認すると、外注先への質問が具体的になります。
納期が遅れやすいポイント
- 図面にICF/CFとNW/KFが混在していて、どちらの寸法基準で加工すればよいか判断できない
- ナイフエッジやOリング溝の寸法をどの規格・図面から取ればよいか分からない
- SUS304/316/316Lのどのグレードで発注すればよいか、機械加工上の違いが見えない[3]
- 溶接構造とポート一体削り出しのどちらがリーク・パーティクル面で有利か判断がつかない
- 外注先候補に「真空フランジは扱っている」と言われても、ICF/NW規格どちらの経験があるかまでは分からない
Q. なぜICFとNW/KFで加工の考え方が違うのか?
A. シール方式そのものが違うためです。ICF(CF/コンフラット)は両フランジが同一形状のセックスレス設計で、フランジ面に機械加工したナイフエッジが軟質金属ガスケット(主にOFHC銅)に食い込み、環状の溝を作ってシールします。[1] これに対してNW/KF(クランプ式クイックリリース)は、センタリングリングとOリングでシールする方式で、ICFのような刃状の加工面は必要ありません。[2] 到達真空度の目安も異なります。ICF/CFは金属ガスケットにより10^-13Torr台までの超高真空に対応しますが、NW/KFは概ね10^-8mbar程度までの領域が中心で、いずれもシール面のポート加工精度に左右されます。[1][2] このため、まず自社の到達真空度要件がどちらの領域かを確認しないと、加工図面をどちらの基準で作るべきかが決まりません。 規格の位置づけも異なります。NW/KFはISO 2861がDN10〜DN50のセンタリングリング・Oリング寸法を規定する公式ISO規格です。[2] 一方ICF/CFには単一のISO規格番号がなく、業界では元はVarian由来のメーカー図面慣行を、各社が事実上の標準として踏襲しています。[2] つまりICF/CFの発注では、規格番号ではなくメーカー図面のリビジョンを指定する必要があります。一般産業用の配管フランジ(JIS B 2220/ASME B16.5準拠)にはナイフエッジやセンタリングリングという概念自体がないため、真空フランジの図面と混同しないよう分けて確認してください。[2][6]
Q. ICFポートの加工でまず何を確認すべきか?
A. まず呼び径をどちらの表記系統で図面に落とすかが決まらないと、材質グレードも面粗度の目標値も一体削り出しか溶接構造かも比較の起点が定まりません。以下の順で確認すると外注先への質問が具体的になります。 ICF/CFの呼び径は北米式の外径基準(1-3/8in、2-3/4in、4-1/2inなど)と、DN基準(DN16CF、DN40CFなど)の2系統で呼ばれることがあります。[1][2] どちらの呼び方でも、図面上の外径寸法とメーカー図面リビジョンを一致させる必要があります。 材質はSUS304L/316L/316LNまたは表面硬化アルミが一般的です。[1] ステンレス系での機械加工では、304の被削性45%・316の被削性40%と、フリーカット材の303より低いことを前提に、コーナーR付きの5〜7枚刃エンドミルを使うと工具寿命が角形エンドミル比で約2倍になるという報告があります。[3] ドリル加工では304/316とも推奨速度は50SFM程度とされています。[3] 構造面では、公開事例のSUS316L-BA製CVDチャンバーガスインレットポート(φ220×L150mm)が、溶接構造ではなく旋盤+横形マシニングによる一体削り出しを採用しています。[4] 溶接部の洗浄残渣がパーティクル源になることを避けるための選択で、ガス接触面はRa0.15、イオン溶出3ppt、0.1μm以上のパーティクル0個/cm2という結果です。[4] ただしこの事例はICF/CFという規格名を明示したものではなく、半導体チャンバーポートとしての実績である点は分けて確認してください。
Q. NW/KFポートの加工でまず何を確認すべきか?
A. DNサイズとセンタリングリング周りの寸法、そしてISO 2861への適合です。[2] NW/KFはDN10、DN16、DN25、DN40、DN50の呼び径があり、ISO 2861がセンタリングリングとOリングの寸法を規定しています。[2] 発注時は、DNサイズだけでなく「ISO 2861準拠」と明記し、加工後の寸法検査でその基準に照らせるようにしておくと、受入検査の基準が揃います。 NW/KFはISO 2861の姉妹規格であるISO 1609(ISO-K/ISO-F、DN63〜DN630の大径フランジ)とは別物です。[2] 図面にDN63以上の数値が出てきた場合、それがNW/KFかISO-K/ISO-Fかで参照すべき規格文書が変わるため、DNサイズだけで規格を判断しないほうがよいです。[2] 材質面ではICF/CFと同様にSUS304/316系が使われることが多く、304/316の被削性の低さと工具形状の考え方は共通します。[3] シール面の精度が厳しい場合の参考として、社内には超電導クライオスタット向け気密フランジで同軸度0.003mm、真円度0.002mm、ヘリウムリーク率2×10^-11 Pa・m3/sを達成した事例がありますが、これはNW/KFやICF/CFの規格品ではなく、シール面精度の水準を見る参考としてのみ使ってください。[5]
図面で見ておきたい条件
- ICF/CFのナイフエッジ形状の機械加工手順と面粗度公差、ナイフエッジ角度・エッジ高さの許容値は、メーカー図面で個別に確認します。[1][2]
- NW/KFのセンタリングリング・Oリング溝寸法はISO 2861に規定されていますが、規格本文の詳細な数値表は有料公開のため、DNサイズと概略仕様のみを確認事項として扱います。[2]
相談前に知っておきたいこと
- 本ページで参照する社内事例(SUS316Lポート、Kovarフランジ)は、半導体チャンバーポートおよび超電導クライオスタットフランジとしての加工です。[4][5] ICF/CF・NW/KFの規格寸法での対応可否は、図面の寸法と公差を確認してから回答します。
関連するものづくりトピックス
業界での実機事例(参考)

SUS316L半導体成膜装置チャンバポートの旋盤加工

Kovar超電導磁石用気密フランジのマシニング加工
よくある質問
図面が固まっていなくても相談できますか?+
ICFとCF、コンフラットは同じものですか?+
NWとKF、QFは同じ規格ですか?+
ICF/CFフランジにISO規格番号はありますか?+
SUS304とSUS316、どちらで発注すべきですか?+
溶接構造と一体削り出し、どちらがよいですか?+
ヘリウムリーク試験は標準対応ですか?+
面粗度やイオン溶出の管理値は保証できますか?+
少量の試作でも対応してもらえますか?+
既存の外注先で規格違いのミスが起きた案件も相談できますか?+
半導体以外の業界の真空フランジでも相談できますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
外部資料
内部事例
- [4] 加工事例: SUS316L半導体成膜装置チャンバポートの旋盤加工
- [5] 加工事例: Kovar超電導磁石用気密フランジのマシニング加工
設備・会社情報
- [6] 金属加工ジャパン: 部品カテゴリ フランジ
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