Meta-NaviProduced by 深江特殊鋼株式会社

S50CとSCM440、金型・機械部品の深穴加工でどちらを選ぶべきか?

結論は、表面硬度と耐摩耗性を優先するならS50C、靭性と大径・長尺のBTA深穴加工実績を優先するならSCM440です。まず穴径と深さの比率であるL/D比、そして熱処理を深穴加工の前後どちらで行うかを分けて確認します。[3][8]

確認項目を見る

Meta-Navi bridge

S50C・SCM440の深穴加工事例から相談する

材質がS50CかSCM440か迷っていても、図面や具体的なアイデアがなくてもOK!穴径、深さ、部品の用途のメモがあれば十分です。近い実績を探して、そこを起点に相談してください。

まず確認すること

S50CとSCM440はどちらもBTA・ガンドリル深穴加工で扱う機会が多い材料ですが、機械加工パラメータは別グレードとして分かれています。深江特殊鋼のBTA加工ではS45C(切削速度85m/min、送り0.28mm/rev、クーラント圧4.5MPa)とSCM440(72m/min、0.22mm/rev、5.0MPa)、ガンドリル加工ではS45C(95m/min、0.035mm/rev、10MPa)とSCM440(82m/min、0.030mm/rev、11MPa)のデータを持っています。[4][5] S50C専用の深穴加工事例はまだ公開していない一方、SCM440はφ80〜173mm・L410〜5,000mmの範囲でBTA深穴加工の実例があります。[6][7] この差を踏まえて、材料選定と加工方式の確認軸を整理します。

材料: S50C(JIS G4051)かSCM440(JIS G4053)か、熱処理状態(生材/焼入れ焼戻し済み)、ミルシートの要否[3]
穴条件: 穴径、深さ、L/D比、貫通穴か止まり穴か、真直度・振れの許容値
部品条件: 金型部品か機械部品か、外径・全長、後工程(研削、表面処理、熱処理)の有無と順番
数量・納期: 試作か量産か、希望納期

納期が遅れやすいポイント

  • S50CとSCM440のどちらが自社の金型・機械部品に向くか、硬度と靭性の違いだけでは判断しづらいこと。[3][8]
  • 深穴加工の実績を探しても、SCM440のBTA事例は複数あるのに、S50C専用の深穴加工事例が見当たらないこと。[6][7]
  • 穴径がφ20前後の場合、BTAとガンドリルのどちらの加工方式が適するか、切削条件まで含めて判断できないこと。[4][5]
  • 熱処理(焼入れ・焼戻し)と深穴加工の順番を決めずに発注し、加工後の歪みや工具摩耗に悩むこと。[2]

Q. S50CとSCM440、深穴加工でどちらを選ぶべきか?

A. 表面硬度と耐摩耗性を優先するならS50C、靭性と大径・長尺のBTA深穴加工実績を優先するならSCM440です。[3][8] S50CはJIS G4051が定める炭素0.47〜0.53%の機械構造用炭素鋼で、焼入れ・焼戻し後の表面硬度を上げやすく、摩耗を受ける金型プレートや機械部品に向きます。[3] SCM440はJIS G4053のクロムモリブデン鋼で、焼入れ・焼戻し後の引張強さ780〜930MPa・硬さHB217〜277と、S50Cより靭性に優れ、油圧シリンダーやシャフトなど大径・長尺のBTA深穴加工で実績を積んでいます。[8] 深江特殊鋼が公開している深穴加工事例では、SCM440はφ80×L5,000mmの油圧シリンダー(真直度0.3mm/5,000mm、公差H7)や、φ173×L1,393mmの大径スピンドル(真直度0.3mm/1,393mm)まで加工しています。[6][7] 一方でS50C専用の深穴加工事例は現時点で公開されていないため、同じ炭素鋼系のS45Cの機械加工パラメータを参考値として使います。[4]

Q. 穴径、深さ、熱処理を含めて何を先に確認すべきか?

A. 穴径とL/D比、熱処理を深穴加工の前後どちらで行うか、真直度の許容値の3つです。[1][2] 深穴加工は一般に、穴径に対する深さの比率(L/D比)が10:1を超える加工を指します。[1] 深江特殊鋼のBTA加工はS45C(切削速度85m/min、送り0.28mm/rev、クーラント圧4.5MPa)とSCM440(72m/min、0.22mm/rev、5.0MPa)、ガンドリル加工はS45C(95m/min、0.035mm/rev、10MPa)とSCM440(82m/min、0.030mm/rev、11MPa)のパラメータを保有しており、穴径が小さくL/D比が大きいほどガンドリル、大径になるほどBTAを検討します。[4][5] 熱処理は、深穴加工の後に焼入れ・焼戻しを行うと、硬度が上がる分だけ工具摩耗と真直度の管理が難しくなります。[2] S50C・SCM440とも、深穴を開けてから熱処理を行う順番が基本で、熱処理後に研削や仕上げ加工を挟むケースが多くなります。[2]

Q. 金型部品と機械部品では、判断軸は変わるか?

A. 変わります。金型部品はS50C系材料が代表的な選択肢の一つですが、SCM440は金型そのものより軸物・シリンダー側の深穴加工で実績があります。[7][9] 金型業界向けの代表的な材料一覧には、SKD11、SKD61、SKS、S45C系、SUS440、マルエージング鋼が挙がり、S50Cが含まれるS45C系はそのひとつです。[9] 一方SCM440はこの一覧に含まれておらず、公開されている深穴加工事例も油圧シリンダーや建設機械のスピンドルなど機械部品側に集中しています。[6][7] 金型冷却水路のようにS50C・SCM440を並行して検討する部品もあるため、金型か機械部品かで材料の優先順位を決めたうえで、深穴加工の実績と機械加工パラメータを照らし合わせるのが確実です。[4][5]

図面で見ておきたい条件

  • 深穴加工は焼入れ・焼戻し前に行うのが基本です。S50CもSCM440も熱処理後は硬度が上がり、工具摩耗と真直度の管理が難しくなります。[2]
  • BTAとガンドリルの選択は穴径が目安になります。深江特殊鋼のBTA加工とガンドリル加工はそれぞれS45C・SCM440の機械加工パラメータを持ち、穴径と深さ、L/D比で加工方式を分けます。[4][5]

相談前に知っておきたいこと

  • S50C専用の深穴加工(BTA・ガンドリル)事例は、現時点で公開されている加工事例の中に見当たりません。S45C系の機械加工パラメータ[4]と、SCM440の深穴加工実績[6][7]を根拠に判断軸を示していますが、S50C固有の工具寿命や真直度の実績値ではない点に注意してください。

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

よくある質問

図面が固まっていなくても相談できますか?+
はい。材質がS50CかSCM440か決まっていなくても、穴径、深さ、部品の用途(金型部品か機械部品か)が分かれば、現時点の図面や手書きメモから確認できます。
S50CとSCM440、材料の呼び方が違っても相談できますか?+
相談できます。S50C、S45C系、SCM440、クロムモリブデン鋼など呼び方が混在していても、ミルシートや熱処理状態が分かれば確認できます。材料手配込みか支給材かも合わせて教えてください。
BTAとガンドリル、どちらで加工するかはどの条件で判断しますか?+
主に穴径とL/D比で判断します。穴径が大きいほどBTA、小径で深いほどガンドリルの機械加工パラメータに寄せて検討します。数量や後工程との兼ね合いで変わることもあります。
S50C専用の深穴加工事例が無いのに相談できますか?+
相談できます。S50C専用の公開事例は現時点でありませんが、同じ炭素鋼系のS45Cの機械加工パラメータと、SCM440の深穴加工実績を参考値として、成立性の見立てを返せます。
熱処理は深穴加工の前後どちらで行うべきですか?+
基本は深穴加工の後に焼入れ・焼戻しを行います。先に熱処理をすると硬度が上がり、工具摩耗と真直度の管理が難しくなるためです。仕上げ研削が必要な場合はその順番も合わせて相談してください。
海外調達材でも相談できますか?+
できます。海外調達のS50C・SCM440相当材でも、化学成分と熱処理状態が分かるミルシートがあれば、JIS材との違いを含めて確認できます。
穴径やL/D比が概算値しかない段階でも、BTAとガンドリルどちらで進めるか回答してもらえますか?+
回答できます。穴径と深さの概算値からL/D比が出せれば、BTA向けかガンドリル向けかの機械加工パラメータに近いほうを先に示せます。材料がS50CかSCM440か未定でも、硬度優先か靭性・大径長尺の実績優先かの方向性が分かれば並行して確認できます。外径・全長、貫通穴か止まり穴か、数量、希望納期が加わると見立ての精度が上がります。
短納期の案件でも対応可否を確認してもらえますか?+
確認できます。材料が支給か手配込みか、熱処理や表面処理を含む工程かどうかで回答速度が変わるため、まず現時点の条件で聞いてください。
試作1個からでも相談できますか?+
1個から相談できます。金型の補修部品や既存品の代替製作など、単品の相談も扱っています。
S50C・SCM440以外の材料と比較検討したい場合も相談できますか?+
できます。SKD61やプリハードン鋼など金型系材料との比較も含めて、穴径、深さ、用途から材料選定の相談ができます。

あわせて読みたい情報

参考事例・文献

このページの情報は役に立ちましたか?

Meta-Navi bridge

ここまでご覧いただいた方へ

条件が固まっていなくても大丈夫です。図面や仕様が手元になくても、まずはMeta-Naviにご相談ください。