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放電加工用の銅電極(エレクトロード)、加工と材質選定で何を確認すべきか?

銅電極の加工では、材質(タフピッチ銅、無酸素銅、テルル銅、銅タングステン)、電極ブランクの寸法公差(mm・μm単位)、型彫り放電での消耗特性を分けて確認します。[1][3] まず対象ワークがSKD等の鋼系か超硬系か、粗加工用か仕上げ用かを先に決めると、材質選定と加工先への相談が早くなります。[1]

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銅電極の材質選定や電極ブランクの加工精度で迷うなら、図面や具体的なアイデアがなくてもOKです。現時点の条件から確認できます。

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まず確認すること

銅電極(エレクトロード)の加工と一口に言っても、確認すべきは材料選定と電極ブランクの加工精度・公差の2段階です。材料面では、タフピッチ銅、無酸素銅、テルル銅は鋼系金型の仕上げ放電に向く一方、超硬系ワークの粗加工・仕上げでは銅タングステンが推奨される、という目安があります。[1] 加工先選定では、電極ブランクの外径公差・真円度(μm〜mm単位)がその加工先の一般的な精密加工能力の数値なのか、個別図面での検査を経た保証値なのかを区別する必要があります。[2] 本文では、この2段階を分けて、社内の放電加工プロセス情報と銅材の工具・切削条件をあわせて確認します。[3][4]

電極材料: タフピッチ銅(JIS C1100系)か無酸素銅(JIS C1020系)か、テルル銅か銅タングステンか、いずれを想定しているか。[1]
対象ワーク材料: 鋼系金型(プラスチック金型、ダイカスト金型、鍛造金型)か、超硬系(プレス抜き型・粉末冶金金型)か。[1]
仕上げ段階: 粗加工用か仕上げ用か、目標表面粗さ(μRmax相当、mm単位の穴深さ)はどの範囲か。[1]
電極ブランク寸法: 外形寸法(例: 40×40×100mm等)、公差、真円度の要求値。加工先の一般公称値ではなく個別図面での確認が必要です。[2]
検査・証明書: ISO 9001等の品質体制、測定機の校正証明書、材料証明書の要否。[2]
数量・納期: 試作1個から量産まで、希望納期。工具・治具の段取りも含めて確認します。[2]

納期が遅れやすいポイント

  • 材質名(銅)だけで相談し、タフピッチ銅か無酸素銅かテルル銅か銅タングステンかまで詰めずに見積が止まる。[1]
  • 電極ブランクの寸法公差と、型彫り放電本体での消耗量・仕上げ精度を混同して発注条件を伝えてしまう。[1][3]
  • 電極ブランクの加工と型彫り放電が同じ工程内で完結するか、別会社をまたぐのかが分からないまま相談する。[4][6]
  • 銅タングステンが必要な条件(超硬ワークの仕上げなど)と、タフピッチ銅で足りる条件を区別できていない。[1]

Q. 銅電極にはどの銅材を選べばよいか?

A. 対象ワーク材料が鋼系か超硬系か、粗加工か仕上げかで変わります。[1] タフピッチ銅(JIS C1100系)と無酸素銅(JIS C1020系)は電気伝導率101%IACSと高く、延性・耐食性も良好なため、EDM電極材料として最も一般的です。[1] テルル銅は快削性に優れ、電極加工のしやすさでは銅系材料の中で最良とされますが、電気伝導率はやや低い90%IACSです。[1] 銅タングステン(Cu30%/W70%)は電気伝導率50%IACSと低く材料コストも高いものの、硬さ210HVで消耗が少なく、超硬ワーク(プレス抜き型・粉末冶金金型)の粗加工・中仕上げに適するとされています。[1] 一方、鋼系金型(プラスチック金型、ダイカスト金型、鍛造金型)の仕上げでは、タフピッチ銅、無酸素銅、テルル銅がおおむね10〜50μRmax程度の仕上げ面粗さまで対応し、それより粗い100〜200μRmax以上の目標や超硬ワークの仕上げでは、銅系電極の消耗が大きくなるとされています。[1] 純銅系の電極ブランクを工具で機械加工する段階では、長く絡まりやすい連続切りくずが出やすい点も、公差・面粗度の検査と合わせて踏まえる必要があります。テルル銅や硫黄快削銅は、この切りくず処理を改善するために設計された銅系材料です。[3]

Q. 電極ブランクの加工精度・検査体制で何を確認すべきか?

A. 公称の加工能力値と、個別図面・検査での保証値を区別して確認します。[2] 電極加工を扱う加工先が公表する外径公差・真円度の数値(例: 外径公差±0.0001mm、真円度0.0001mm)は、その会社の一般的な精密加工能力として示されている値であり、個別の電極形状・材料での保証値ではありません。図面ベースで見積を取る際に、その公差が対象の電極形状、材料、工具条件でも成立するかを別途確認する必要があります。[2] あわせて、ISO 9001などの品質体制、測定機の校正証明書の発行可否、注文数量の下限・上限(試作1個から量産まで対応するか)を確認すると、材料選定と同じくらい重要な加工先選定の判断材料になります。[2] 電極素材そのものの規格としては、JIS H 3100がタフピッチ銅(C1100、Cu99.90%以上)の材料規格を定めていますが、これは電極の加工公差や検査基準を定めた規格ではない点にも注意が必要です。[2]

Q. 深江特殊鋼/MetaNaviでは電極ブランク加工と型彫り放電をどう分担しているか?

A. 電極ブランクの精密機械加工・公差検査は自社工程、型彫り放電(電極を用いた本加工)は協力企業ネットワーク経由です。[4][6] 社内の放電加工プロセス情報には、JIS B 6327(形彫放電加工用銅・グラファイト電極)の参照と、銅電極ブランク製品例、銅C1100の放電加工パラメータ実測値(加工速度4.0mm²/min、パス数2、板厚50mm、脱イオン水0.7MPa)が記録されています。[4] 一方で、型彫り放電そのもの(電極を使った本加工)は協力企業ネットワーク経由での対応となり、自社内で完結する加工とは工程が分かれます。[4][6] SKD61金型ゲートの内部事例では、電極製作を精密機械加工で行った後に型彫りEDMで金型ゲートを成形しており、電極を精密マシニングで作製する工程(公差±0.005mm)が型彫り放電の前段に位置づけられています(ただし電極材質はこの事例の記録には残っていません)。[6] また、既存の金型用鋼の技術記事には、銅電極を用いた仕上げ放電(電流3A、パルス幅6μs)でSTAVAX表面の白層厚さが5〜8μmに収まったという実測記録があり、銅電極による仕上げ放電の目安として参照できます。[5]

図面で見ておきたい条件

  • 電極ブランクの外径公差・真円度(±0.0001mm・0.0001mm単位で公表する加工先もあります)は加工先の一般的な精密加工能力の数値であり、個別の電極形状・材質での保証値ではないため、図面と検査条件ベースで確認する必要があります。[2]
  • 型彫り放電そのもの(電極を使った本加工)は当社では協力企業ネットワーク経由の対応になり、電極ブランクの機械加工・公差検査の段階と担当が分かれます。[4][6]

相談前に知っておきたいこと

  • 型彫り放電の在庫設備は自社内に確定情報がなく、協力企業ネットワークでの対応が前提になります。電極ブランクの機械加工・公差検査のみを自社工程で対応する案件と、型彫り放電まで含む案件とで、確認すべき窓口が変わります。[4][6]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

よくある質問

図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
はい。材質、電極形状、公差、数量、希望納期がすべて固まっていなくても、現時点の図面や手書きメモ、既存電極の写真から確認できます。未確定の条件は見積前に分けて整理します。
タフピッチ銅と無酸素銅、どちらを選べばよいですか?+
どちらも電気伝導率101%IACSで、EDM電極材料として最も一般的な材質です。導電性、延性、耐食性の面で大きな差はないため、既存の調達実績や入手性で選ばれることが多い材質です。用途で迷う場合は対象ワークと目標仕上げ面粗さを合わせて確認してください。
銅タングステン電極が必要になるのはどんな場合ですか?+
超硬(WC-Co)系のプレス抜き型や粉末冶金金型を仕上げる場合です。タフピッチ銅など通常の銅系電極では消耗が大きくなりやすい条件のため、材料コストは高くても銅タングステンが推奨される目安になっています。
電極ブランクの寸法公差はどこまで対応できますか?+
加工先が公表する外径公差・真円度の数値は一般的な精密加工能力の値であり、個別の電極形状・材質での保証値ではありません。具体的な電極図面をもとに、その公差が成立するか個別に確認する必要があります。
電極ブランクの加工と型彫り放電は同じ会社で完結しますか?+
案件によります。深江特殊鋼/MetaNaviでは、電極ブランクの精密機械加工は自社工程で対応し、型彫り放電(電極を用いた本加工)は協力企業ネットワーク経由で対応します。相談時にどこまでを依頼したいかを伝えてください。
検査成績書や校正証明書は発行できますか?+
加工先によって対応が分かれます。ISO 9001の認証状況や測定機の校正証明書の発行可否は、材質選定と同じくらい重要な確認項目です。必要な場合は初回相談時に伝えてください。
電極1個からの試作でも相談できますか?+
相談できます。試作1個から量産まで対応可否は加工先によって幅があるため、数量と希望納期を伝えたうえで確認してください。
電極素材の材料証明(ミルシート)は必要ですか?+
電極ブランクの材質そのものはJIS H 3100(タフピッチ銅C1100など)で規定されますが、これは電極の加工公差や検査基準を定めた規格ではありません。ミルシートが必要な場合は事前に伝えてください。
海外調達した電極素材の追加工も相談できますか?+
現物や図面、材質情報があれば相談できます。追加工では基準面や既加工面の状態、目標公差を先に確認します。
型彫り放電の消耗量はどのくらいを目安にすればよいですか?+
対象ワーク材質と仕上げ段階で変わります。鋼系金型の仕上げでは銅系電極でも比較的消耗を抑えやすい一方、超硬系ワークの仕上げでは消耗が大きくなりやすいとされています。具体的な条件は個別に確認します。

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参考事例・文献

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