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AM造形用ベースプレートの再研削は、依頼前に何を確認すべきか?

AM造形用ベースプレートの再研削でまず狂うのは、除去代や平面度の要求ではなく、母材が工具鋼系かマルエージング鋼かの見立てです。これが曖昧なまま研削かEDM・フライスかを決めると、後から工程選定ごと引き直すことになります。現状の反り量と材質をまず数値で押さえてください。[1][3]

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母材と反り量を先に揃えて相談へ進む

図面や具体的なアイデアがなくてもOK。プレートの材質、現在の厚み、反り量、狙いの平面度だけ分かれば、工程選定の比較から始められます。とりあえず相談してみると、確認事項が整理できます。

まず確認すること

「再研削できますか」だけでは工程は決まりません。外部の技術資料では、金属AMのベースプレートは造形のたびに残留金属が溶着し、熱サイクルで反りも出るため、再研削のたびに平面度と厚みを戻す必要があるとされています。センサー制御の研削盤を使えば、最終厚みに対して0.0001インチ(約2.5ミクロン)まで管理しながら仕上げられる一方、EDM、バンドソー、フライスは1枚あたり数時間かかることがあり、硬い合金ではさらに延びるとされています。[1] 深江特殊鋼はAM造形機こそ保有していませんが、SKD11、SKD61、マルエージング鋼向けの研削条件と、焼入れ後に反った工具鋼プレートを研削で戻した内部事例を持っており、この2つを起点に再研削の工程選定を整理します。[3][7]

母材: 工具鋼系(SKD11・SKD61等)かマルエージング鋼かの材質、熱処理・硬度の状態[3][4]
寸法と反り量: 現在の厚み、狙い厚み(除去代)、平面度の現状値と要求値[1][7]
面粗度: 造形物との密着に必要な面粗度の要求範囲(研削仕上げか、粗さの指定範囲か)[2]
工程選定: 研削、EDM、フライスのいずれで再研削するか、再研削の枚数と頻度[1]
検査・対応機種: 検査記録の提出可否、自社が使うAM機メーカー(EOS・Trumpf等)への対応実績[2]

納期が遅れやすいポイント

  • 再研削を依頼しても、除去代がどこまで攻められるか分からない
  • 研削とEDM・フライスのどちらで再研削すべきか判断できない
  • 熱サイクルで反ったベースプレートが、再研削で狙い厚みまで戻るか読めない
  • 業者ごとに検査記録の出し方が違い、比較の基準がない
  • 自社のAM機メーカー(EOS・Trumpfなど)に対応した実績があるか事前に分からない[2]

Q. なぜAM造形用ベースプレートには再研削が必要なのか?

A. 造形物がプレートに溶着した状態で完成し、熱サイクルで反りも出るためです。[1] 金属粉末床溶融結合(レーザーPBF)では、造形物は基本的にベースプレートに溶接に近い状態で固着します。次の造形に使うには、残留金属を完全に除去し、平面度・水平度を戻す必要があります。プレート自体も造形時の熱サイクルで部分的に反ったり歪んだりするため、使うたびに平面度と平行度を戻す再研削が必要になります。[1] 再研削の方法にはEDM、バンドソー、フライス、研削があります。EDM・バンドソーは1回ごとに板厚を削り込み、切断面が完全には平らにならず、インコネルのような硬い合金は加工硬化で時間がさらに延びる傾向があるとされています。フライスも使えますが、母材の材料によっては1枚あたり数時間かかることがあり、その間は本来部品加工に使う機械の稼働を圧迫します。[1] これに対して、センサー制御の研削盤は接触時の振動を検知して送り速度を自動調整し、最終厚みに対して0.0001インチ(約2.5ミクロン)まで管理しながら仕上げられるとされています。[1] 深江特殊鋼の研削工程データでも、一般的な平面度能力は0.005mm/300mm、寸法精度は±0.005mmとされており、対応材料にSKD11、SKD61、マルエージング鋼を含みます。[3] ただしこれは工程レベルの数値であり、AM用ベースプレート固有の実績ではないため、材質・寸法ごとの個別確認が前提になります。[3] 深江特殊鋼のプレート部品データでも、板厚10〜80mmのプレートはクランプ・切削熱で0.1〜0.5mmの反りが出るとされ、面粗度はフライス仕上げでRa1.6、研削仕上げでRa0.4と分かれています。AM用ベースプレートの反りと面粗度を検討するときも、この2つの数値が目安になります。[5]

Q. 研削とEDM・フライスは、何を基準に選べばよいか?

A. 除去代・面粗度の要求と、母材の工具材質が硬い合金かどうかの2点で判断します。[1][2] 再研削の見積もりを取るとき、「対応できます」という返答だけでは工程は分かりません。聞くべきは、除去代をどこまで攻められるか、仕上げの面粗度をどの範囲で指定できるか、そして研削、EDM、フライスのどれを使う前提かです。研削業者の中には、面粗度を範囲指定で顧客と合わせ、検査記録もあわせて提出する運用を明示しているところもあり、固定値ではなく相談で決める項目だと分かります。[2] 母材が工具鋼系(SKD11・SKD61)かマルエージング鋼かでも条件は変わります。マルエージング鋼は溶体化(軟化)状態では加工性が良く、時効硬化後にHRC48〜56まで硬くなる材料で、深江特殊鋼の材料データでもこの軟化状態での加工から時効硬化までの流れが整理されています。[4] 工具鋼側では、SKD11をHRC60まで焼入れした状態でCBN砥石を使う条件、SKD61をHRC52で仕上げる条件が、それぞれ研削工程データに含まれています。[3] 焼入れ後に反ったプレートを研削で戻す内部事例としては、SKD11金型プレート(800×600mm)が、焼入れ後の変形を平面研削で戻し、平面度0.01mm/800mmまで仕上げた例があります。AM用ベースプレートではありませんが、熱による反りを研削で戻すという構図は近く、母材が工具鋼系であれば工程選定の参考になります。[6][7]

Q. 外注先には何を聞けば、再研削の実力を判断できるか?

A. 「対応できます」という返答だけでは判断材料になりません。対応機種の実績、材料と寸法(mm)が近い除去代の実績、検査記録の提出可否を、それぞれ別に確認してください。[2] 「AMベースプレートの再研削はできますか」と聞くと、多くの場合はできますという返答になります。聞くべきなのは、自社が使うAM機メーカー(EOS、Trumpf、Nikon SLM、AddUpなど)への対応実績があるか、近い材質・寸法でどこまでの除去代・平面度を達成した実績があるかです。研削、EDM、フライスを組み合わせて再研削するサービスもあり、対応機種や検査記録の提出可否を明示しているところもあります。[2] あわせて、価格や納期は個別見積もり前提であることが多く、公開情報だけでは分からない点が多いため、条件を送った上で見積もりを取るのが現実的です。[2] 深江特殊鋼側で示せるのは、AM用ベースプレートそのものの再研削実績ではなく、SKD11、SKD61、マルエージング鋼向けの研削条件[3][4]と、焼入れ後に反った工具鋼プレートを平面研削で戻した事例です。[7] この事例と自社のベースプレートを比べると、母材が近いのか、反り量が大きいのか、除去代の要求が厳しいのかが見えてきます。

図面で見ておきたい条件

  • 深江特殊鋼にAM造形用ベースプレートそのものの再研削事例はまだありません。研削工程の平面度能力(0.005mm/300mm)は工程レベルの数値であり、ベースプレート固有の実績ではないため、材質・寸法ごとに個別確認が必要です。[3]
  • EDM、バンドソー、フライスによる再研削は1枚あたり数時間かかることがあり、硬い合金ほど時間が延びる傾向があるとされています。段取りや台数によって実際の所要時間は変わるため、外注先に近い条件での実績時間を確認してください。[1]

相談前に知っておきたいこと

  • ベースプレート固有の平面度・除去代の実績数値は、AM機メーカーやプレート材質ごとに異なります。本ページで示す0.005mm/300mmや0.01mm/800mmは、いずれも工程・非AM事例レベルの数値であり、そのまま個別案件の保証値にはなりません。[3][7]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

よくある質問

図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
はい。材質、現在の厚み、狙い厚み、平面度の要求値、数量、希望納期がすべて固まっていなくても、現時点のプレート寸法や現物の反り具合、AM機メーカー名から確認できます。反り量と母材の材質さえ分かれば、除去代の当たりをつけるところから話を進められます。
研削とEDM・フライスは、どちらを選べばよいですか?+
除去代と面粗度の要求、母材の硬さから判断します。硬い工具鋼系や短時間での仕上げを重視するなら研削が前提になりやすく、除去代が大きい場合や研削設備が使えない条件ではEDM・フライスとの組み合わせも検討します。プレートの材質と反り量を伝えてもらえれば判断材料になります。
AM用ベースプレートそのものの加工実績はありますか?+
AM用ベースプレートそのものの再研削実績は、現時点ではありません。深江特殊鋼が示せるのは、SKD11、SKD61、マルエージング鋼向けの研削条件と、焼入れ後に反った工具鋼プレートを平面研削で戻した事例です。母材や反りの構図が近いかどうかを一緒に確認します。
マルエージング鋼のベースプレートでも研削できますか?+
対応できます。マルエージング鋼は溶体化(軟化)状態では加工性が良く、時効硬化後はHRC48〜56まで硬くなる材料です。現在のプレートが軟化状態か時効硬化済みかで、研削条件の選び方が変わります。
自社のAM機メーカー(EOS・Trumpfなど)に対応できるか、どう確認すればよいですか?+
対応するAM機メーカーやプレート形状は業者によって異なるため、機種名とプレートの外形寸法・取付穴の位置を伝えて確認するのが確実です。深江特殊鋼はAM機自体を保有していないため、プレート形状に合わせた再研削が可能かを個別に確認します。
除去代はどこまで攻められますか?+
現在の厚み、狙い厚み、反り量、母材の硬さによって変わるため、一律の数値では答えられません。センサー制御の研削であれば最終厚みに対して数ミクロン単位まで管理できるとされていますが、実際の除去代は現物を見て確認する必要があります。
検査記録として、平面度や厚みの測定データはもらえますか?+
測定データを検査記録として提出できるかどうかは、依頼前に確認しておくと安心です。再研削サービスの中には、検査記録の提出を前提としているところもあります。
反りが大きいプレートでも再研削できますか?+
反り量と母材の厚みによります。除去代の中で反りを吸収できる範囲かどうかを、現物の平面度測定値をもとに確認します。反りが大きすぎる場合は、研削だけでなく粗加工の追加が必要になることもあります。
短納期案件でも対応可否を見てもらえますか?+
見られます。短納期では、プレートの材質、寸法、反り量に加えて、検査記録がどこまで必要かで回答速度が変わります。まず現時点の条件で確認できます。
再研削を繰り返すと、いずれ使えなくなりますか?+
厚みが除去代の分だけ減っていくため、繰り返すほど再研削できる回数には限りが出てきます。何回まで再研削できるかは母材の厚みと1回あたりの除去代によるため、現在の厚みと過去の再研削回数が分かると見積もりやすくなります。

あわせて読みたい情報

参考事例・文献

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