航空機用の燃料ポンプ部品は、どこまでを一社に任せ、どこから認証を持つ先へ分けるべきか?
まず、その燃料ポンプ部品が航空機区分の品質マネジメント要求に入るかどうかを先に確認します。[1][5] 深穴加工と外径の前加工から、認証と検査記録が必須な工程までを含め、材質と要求精度が決まった時点で対応可否と受け方を回答します。[5][6]
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燃料ポンプ部品の図面条件を送って相談する
材質と熱処理状態、穴径と加工長、公差と面粗度、検査要求のメモがあれば十分です。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!現時点の条件から、対応できる範囲と見積を回答します。
まず確認すること
弊社が実際に加工した燃料ポンプ部品は、S25Cのロッドガイドです。外径φ200、長さ669mm、φ106の貫通穴を669mmの深さでBTA深穴加工し、公差±0.05mm、面粗度Ra6.3で5本を10営業日で納めました。[3] この部品はエネルギー分野の産業機械向けの案件です。[3][4] 一方、公開されている航空機用燃料ポンプギヤの技術資料では、歯面と軸径にRa0.4、端面に0.005mmの平面度が示されています。[2] 同じ燃料ポンプ部品という呼び方でも、要求の桁が違います。この差を埋める工程の範囲が、見積の前に決まっていない条件です。
納期が遅れやすいポイント
- 図面の材質欄が浸炭鋼で、熱処理の後に誰が仕上げるかが決まっていない[2]
- 歯面と軸径にRa0.4、端面に0.005mmの平面度が指定されていて、どの工程で出すか判断できない[2]
- この部品がJIS Q 9100相当の適合を求められる区分に入るのか、社内で確定していない[1][5]
- 初回製品検査とキー特性管理を注文書のどこに書くべきか決まっていない[1]
- 穴径と加工長は決まったが、どの深穴加工の方式に乗る条件なのかが分からない[4]
Q. 航空機用の燃料ポンプ部品は、どの工程で精度が決まるのか?
A. 熱処理の前後で決まります。荒加工の精度だけでは決まりません。[2] 公開されている航空機用燃料ポンプギヤの技術資料では、材料に浸炭鋼の12Cr2Ni4Aが使われ、荒加工、浸炭焼入れ、半仕上げ、磁粉探傷、仕上げ加工、二回目の磁粉探傷の順で工程が組まれています。[2] 浸炭焼入れの熱で寸法が動くため、動いた分を後から削り取れるだけの余肉を残しておく必要があります。残す量は端面で0.13mmから0.15mm、直径で片側0.15mmから0.19mmと指定されています。[2] 要求される仕上げの水準も確認が要ります。歯面と軸径はRa0.4、端面の平面度は0.005mmと示されています。[2] 弊社のBTA深穴加工で公開している面粗度はRa6.3であり、[3] 同じ部品名でも一桁以上離れた要求です。この差は、深穴加工の後に別の仕上げ工程を置くかどうかの判断になります。 硬さは部位ごとに違います。外歯スプライン面はHRC56以上、歯面と軸径はHRC61以上、芯部はHRC32から43です。[2] 表面を硬くして摩耗に耐えさせ、芯を軟らかく残して割れに耐えさせるため、浸炭の深さも部位ごとに0.2mmから0.4mmと0.4mmから0.9mmに分かれます。[2] 深さの違う浸炭を一度の処理では作れないため、面ごとに硬さが分かれた図面は熱処理の回数が増え、その分が納期に乗ります。[2]
Q. 弊社に依頼いただくとき、どこまでを自社で受けるのか?
A. 材料調達、旋盤による外径加工、BTA深穴加工までを自社設備で受けます。認証と検査記録が必須な工程は、認証を保有するグループ企業の由紀精密と連携して対応します。[5][6] 防衛装備の調達では、航空機とミサイルが含まれる区分にJIS Q 9100相当の品質マネジメントの適合が求められます。[5] JIS Q 9100はISO 9001に航空、宇宙、防衛の各分野の要求を上乗せした規格で、現行版は2016年9月下旬の発行です。[1] 認証の有無は、加工能力ではなく供給者としての資格を示します。認証と検査記録が要求される工程は、認証を保有する事業者が対応することで記録が要求事項を満たします。[5] チタン材の航空宇宙向け案件では、材料供給と旋盤、フライス、BTAの前加工を深江特殊鋼が持ち、認証が要る5軸の仕上げをグループ企業が持つ分担で進めています。[6] 燃料ポンプ部品でも、同じ形で対応できる範囲を明確にした見積を出します。 弊社が実際に加工した燃料ポンプ部品は、S25Cのロッドガイドです。外径φ200、長さ669mm、φ106の貫通穴を669mmの深さでBTA深穴加工し、公差±0.05mm、面粗度Ra6.3で5本を10営業日で納めました。[3] S25Cは炭素量0.25%と低く切粉が繋がりやすいため、切粉を分断する条件を選び、穴の中で詰まらせない形にしています。[3] この部品はエネルギー分野の産業機械向けの案件です。[3][4] 深穴加工の公差と面粗度の実例として参照します。[5]
Q. 図面と一緒に何を送っていただくと、初回の回答が早くなるか?
A. 材質と熱処理状態、穴径と加工長、公差と面粗度、品質要求の四つです。[1][2] 品質要求で先に決めていただきたいのは、注文書に何を書くかです。初回製品検査の要求と、キー特性管理の要求は、それぞれ別の規格として整理されています。[1] 燃料が通る部品では、異物損傷防止プログラムの要求も同じ規格群の中に別立てで置かれています。[1] どれを求めるかで検査の工数と残す記録の量が変わるため、見積の前に書き分けが要ります。 発注先の種別も確認させてください。新規に製造する組織に求められる規格、整備を行う組織に求められる規格、販売業者に求められる規格は、それぞれ別に定められています。[1] 弊社は製造側として案件を受けており、整備の記録を伴う案件は範囲が変わります。 穴の条件については、目安として穴径φ33以上をBTA、φ32以下をガンドリルで見ます。[4] 燃料ポンプ部品はBTA加工の代表的な対象としても挙げており、S25Cでφ106という例を載せています。[4] 図面の穴径と加工長が決まっていれば、対応可否と見積を回答できます。
図面で見ておきたい条件
- 熱処理の後にどこまで削るかを先に決めてください。公開資料の例では、浸炭焼入れの後に端面0.13mmから0.15mm、直径片側0.15mmから0.19mmの取り代を残し、熱処理で動いた分を仕上げ研削で取り切る設計になっています。[2] 図面に取り代の指定がないと荒加工の狙い寸法が決められないため、弊社からこの値を先に確認します。
- 同じ部品でも面によって硬さの要求が変わることがあります。公開資料の例では、外歯スプライン面はHRC56以上、歯面と軸径はHRC61以上、内部の芯部はHRC32から43と、硬さと靭性を分けて指定されています。[2] 表面だけを硬くして芯を軟らかく残すため、浸炭深さも0.2mmから0.4mmと0.4mmから0.9mmに分かれ、処理は一段では終わりません。[2] 硬さ指定が面ごとに分かれている図面かどうかで、熱処理の回数と工程順が変わります。
- 検査の回数と入る位置も先に決めます。公開資料の例では、磁粉探傷が工程の途中と終盤の二回入っています。[2] 初回製品検査とキー特性管理は、それぞれ別の要求事項として規格が分かれているため、注文書でどちらを求めるかを書き分けてください。[1]
相談前に知っておきたいこと
- JIS Q 9100の認証が必要な工程は、認証を保有するグループ企業の由紀精密と連携して対応します。材質と要求精度が決まった時点で、受け方と見積を回答します。[5]
- 公開事例にある燃料ポンプ用ロッドガイドは、エネルギー分野の産業機械向けの案件です。[3] 航空機区分の要求が付く案件では、深穴加工の公差と面粗度の実例としてこの事例を参照し、対応可否と認証の要否は図面と調達区分が決まってから回答します。[5]
- 浸炭鋼の航空機用ギヤ部品では、歯切りと研削を含む図面を見た時点で、対応できる工程の範囲と加工可否を回答します。深穴加工で到達できる公差と面粗度の実値は、鋼種と浸炭深さ、熱処理後に残す取り代が決まってから算出します。チタン材では材料供給と前加工を自社、5軸の仕上げをグループ企業が持つ分担の例があります。[6]
業界での実機事例(参考)

S25Cロッドガイドの BTA深穴加工
よくある質問
図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
JIS Q 9100の認証が必要な案件かどうか、こちらで判断できていません。それでも相談できますか?+
浸炭鋼の航空機用ギヤ部品の加工実績はありますか?+
材料の手配から依頼できますか?+
海外の図面で、国内規格にない材料記号が書かれていても見てもらえますか?+
試作1本からでも相談できますか?+
面粗度Ra0.4の指定がある部品でも受けられますか?+
納期はどのくらいで見ればよいですか?+
他社で断られた条件でも相談できますか?+
初回の回答までどのくらいかかりますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
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